TOYOTETSU DNA 製造

  • 金澤 信夫さん
    本社工場 次長
  • 大木 雅哉さん
    額田工場 次長
  • 梅村 祥司さん
    篠原工場 次長
  • 近藤 正樹さん
    額田工場 次長
  • 長谷川 忠さん
    生産調査部 主査

こだわりを持つ

金澤 信夫さん

本社工場 次長(現 FTIC 工場長)

約25年前のプレスラインの生産は『大きく(多量に)造って大きく(大きな容器で)運ぶ』文化でした。
当時の部品点数は今より少なかった事もあり、そのやり方で良かったのですが、時代が経つにつれ多種多様の生産対応が必要となりました。
そのために、置場スペース不足を解消し、後工程の生産ラインのスペースを小さくする必要が出てきました。

そこで、トヨタ生産方式(TPS)の本格的導入に取り組んできました。
しかし、そこで私が直面したのが冒頭で言った『大きく造って大きく運ぶ』文化を変える事への反発でした。
「一度にたくさん生産した方が出来高が良い」「リフトを使った方が楽」などの意見に対し、何度も何度も必要性を説明し納得してもらいながら改善に取り組みました。
時には強引に進めて失敗をすることもありましたが、『小さく造って小さく運ぶ』という考え方を工場にが根付かせることができました。

今では、在庫が少ない事で異常が判り易くなり、小箱化を進める事で1日の生産数のバラツキも少なくなり、リフト・クレーンレスも進み、当時を知る人からは現場管理が「格段にやり易くなった」「以前より安全になった」と言ってもらっています。
こだわりを持ってやり続けた事が強みになっていると思います。
『改善に終わりは無い』という言葉とこだわりを持って進めることで、更に進化し続けるトヨテツでありたいと思います。

人財育成が私の使命

大木 雅哉さん

額田工場 次長(現 本社工場 次長)

私は、入社以来、現場一筋で主に組立ラインの経験を積み重ね、現在管理職の立場でいます。
『ものづくりは、人づくり』という言葉があるように、製造現場でも人づくりは生命線です。
日々の仕事を通して、基本ルールが守れる人財をつくり上げることが私の使命だと思ってます。
現地現物で、毎日一人15分目安に作業を観察し、気づきを指導する。
また困りごとを吸い上げ改善をする。
そういった部下とのコミュケーションを心がけています。

現在、各工場で組立ワーキングを立ち上げ、基本ルールの見直し、要領から手順まで各工場でバラバラなやり方を一つに統一する活動を行っています。
やり方を統一することで、工場が違っても同じ要領・手順で教え込むことができ、共通のシステムに落とし込むことで標準化ができます。
そして、その統一したやり方を後継者に伝承していく目的で活動を行っています。
また直近では、国内グループ各社との相互研鑽会でグループ間での統一を図る活動も行ってます。

ラインの(正常・異常の)見える化を行い活動を継続していくことが現場力を上げる活動になり、部下まで巻き込んで改善を継続していくことで大きな成果の源泉になる。
これは、昔よく上司に言われた言葉です。
上司の想いを受け継ぎ、トヨテツマインドを実らせるため今後も活動に取り組んでいきたいと思います。

全員参加のTPM活動

梅村 祥司さん

篠原工場 次長(現 TTMX 工場長)

私は入社以来、設備にこだわる業務に携わり現在は保全部門を担当しています。
保全部門というと、単純に壊れた設備を事後保全として直す、予防保全などで単純に設備を壊れにくくするものと思われがちですが、私が取り組んでいるTPM活動とは、それだけではありません。
「PM活動」は予防保全を行い故障を防止する活動であり保全マン主体の活動。
「T」が付く事でトータル(全員参加)の意味があります。

以前私の大先輩から、『保全は「医者」であり生産設備は「子供」それを育てる「親」が第一線で働くオペレーターだ』と教えて頂きました。
「親」は「子供」のいつもと違う少しの異常に気付き「医者」に見てもらう事で、大きな病気(故障)になる前に診断し治す。
保全マンだけの活動ではなく「ものづくり」に携わる人全員がそれを意識し、細かな情報からコミュニケーションを取り愚直に取り組む事が全員参加のTPM活動です。

実際には、組織全体の意識を変える事、あるべき姿の「故障0」達成は非常に難しく人間と一緒で予兆無しで故障(病気・ケガ)する事は防ぎきれません。
ですから、医者として確かな診断・点検を行い故障の予兆を掴む事、もし故障しても早期に治せるスキルを磨き保全マン一人ひとりが「名医」になる事、小さな異常に気がつく「親心」が芽生える様「愚直に 地道に 徹底的に」取組みTPM活動を進化させて行きます。

伝える

近藤 正樹さん

額田工場 次長(現 テクノエイト出向)

私は入社してから今日まで工務関係の業務を行っています。
工務は工場の司令塔となり、材料手配からお客様へ納入するまでのリードタイム短縮をする為の「しくみ」の維持管理をし、生産活動のムダをなくし、お客様への「供給責任」を果たしています。

その「しくみ」も昔に比べ進化し現場管理がしやすくなる一方で、管理する為の処理作業は細かく複雑になり、手作業で出来ていた作業も少しずつ自動化へ変化していきました。

仕事の自動化を進めていく中で、作業の処理時間は短縮されていきますが「しくみ」の目的や基礎・基本が分からず、結果だけを答える人が増えていくのではないかと心配しています。
パソコンの「ボタン」を押すことが仕事になってしまい、その時に「何のために」「何を使って」「何をしているか」が理解できていない、そんなことにならないようにアナログの手順書を使い指導・教育しながら「しくみ」の本質を伝える、また伝えることができる「人財」を育て続けることが私の課題です。

今後も仕事の自動化は進んでいきます。
自動化を進める中で「しくみの本質」が取り残されないように伝え続け、しくみどおりに生産活動し続けれる工場を目指していきます。

「トヨテツのものづくり」の原点

長谷川 忠さん

生産調査部 主査

私は長年、トヨタ生産方式(TPS)の推進に携わってきました。
TPSとは、「ムダの徹底的排除による原価低減」をめざす生産方式でありこれが「トヨテツのものづくり」の原点となっています。
トヨタ自動車様からご教授を頂き、トヨテツの諸先輩方が築き上げてきた、この生産方式がトヨテツでは現在も脈々と受け継がれています。

私が海外赴任していた際に、お客様からいただいた印象的な言葉があります。
『トヨテツさんは、何処の拠点へ行っても、「金太郎あめ」の様に同じ考えで工場が作られていて感心する』と。
国内外に新規の拠点を立ち上げる際、私たち生産調査部がTPSの考えで、ものづくりのしくみの土台を造り、新しい工場が生まれる。
そして、TPSの考えを理解し、実践に移すことの出来る「人財」が、その工場を育てあげ進化させていく。
これが「トヨテツあめ」の出来上がりであると思います。

大事なのは「人」から「人財」に育てあげること。
いくら良い、ものづくりのしくみや道具類が整備されていても、この生産方式は成立しません。
国内は勿論、海外を含めたトヨテツグループの人財が活躍出来る様に、終わり無きTPSの追求のために、微力ではありますがこれからも頑張っていきたいと思います。